粘土を主原料とした建築材料の一種。鉄やカルシウムなどの化合物を含む粘土に脱粘材として砂を加えて調合し、直方体の塊に成形し、乾燥させたのち焼成する。寸法は歴史とともに変化したが,現在の日本における標準寸法は 210mm× 100mm× 60mmである。普通の粘土でつくられる普通煉瓦 (赤煉瓦) と、用途に応じていろいろ材質を違えてつくられる耐火煉瓦の2種類に大別できる。普通煉瓦には、窓・入口・天井などの特殊な場所に使うために規格外の形状をした異形煉瓦・釉薬をかけ高温で焼いて装飾性を高めたテラコッタ煉瓦・音や熱の遮断を主目的とした空洞煉瓦・道路舗装用に使われる舗道煉瓦などがある。工業技術上では耐火煉瓦が最も重要である。窯焼によって製造されるようになって以降、湿度や降雨量に関係なくあらゆる地方で建材として使用できるようになり、煉瓦の積み方もさまざまに発達した。